ゲームの音楽については言及しますが、登場キャラクターについては殆どスルーなoz-skさん。
今回は珍しく、ゲームの音楽以外の、キャラクターの話をしますよ。
興味の無い方は、また次回お会いしましょう。
さようなら。








で。
KOF MI2のシナリオライターの方のブログで、KOFでもメタスラでも、怒チームのラルフは階級が大佐のままで結構だが、クラークの階級が中尉か少佐かはっきりしなくて困る、というような内容のコメントを拝見しまして、それについての戯言をひとつ。


傭兵部隊。
皆さんは傭兵についてどんなイメージをお持ちですかね。
世界の戦場を渡り歩く孤高の戦士、思想や主義主張に囚われず報酬次第で敵にも味方にもなる戦争の犬、というようなイメージが一般的でしょうか。
古くは中世ドイツのランツクネヒトやスイス人傭兵、現代ではフランス外人部隊コンゴ内戦の”ワイルド・ギース”*1民間軍事会社(PMC)のプライベート・オペレーターは有名ですね。
解釈次第では、義勇兵やマフィアの私兵の類も含めて良いかもしれません。


さて、冒頭に書いたラルフやクラークの階級ですが、自分としては傭兵の彼らに階級があること自体がおかしいと考えます。
それはなぜか。
彼らは初代”怒”の時点で軍を退役しており、この時点で軍籍は消滅しています。経歴上は元大佐・元少尉で良いのですが、軍を辞めたのに過去の階級が生きているということには疑問が残ります。
ハイデルンが自らの傭兵部隊に引き入れた際に、最終軍歴の処遇を引き継ぐという契約があった、という仮説も成り立ちますが、、、。
軍隊時代のクセで「教官」「隊長」「大佐」「少尉」と呼んでいるのなら他愛は無いのですが、クラークは公式プロフィール上で「中尉」や「少佐」に昇進してしまっている。
これではもう、クセでは済まされません。
傭兵になった時点で階級についてリセットしてしまえばスッキリしたのに、おそらく当時はどうでも良かったのでしょう。それらしい肩書き付けとけば様になる、位にしか思ってなかったに違いありません。
これだから、ミリタリー知識ないのに適当に軍人を登場させると、あとで齟齬が生じてしまうわけです。


そこで本題。ラルフとクラークの階級が設定上違和感の無いものにするにはどうすべきか。


まず、ラルフ以下怒部隊が所属する「傭兵部隊」とは、どんな組織なのか考えて見ます。
彼らが所属するのは、ハイデルン率いる「傭兵部隊」隷下の”怒部隊”。本拠地はブラジル*2で規模は不明。
主なクライアントは「国際警察」で、KOFのストーリーを追ってみると、依頼内容は諜報・潜入・破壊等の工作活動がメインのようです。
メインクライアントの「国際警察」というのがどんな連中なのか分からないのですが、一応国際的な機関の様ですし、ハイデルンは他のKOF'94以降は他のクライアントからの依頼を受けていないみたいなので、特定の国家や勢力に所属していない、フリーランスでありながらも超法規的な軍事的組織(なんだそりゃ)ではないかと思われます。
フリーという意味ではPMCに近いかもしれませんが、秘密裏に国際的(しかも非合法っぽい)工作活動の実施を認められているということは、実質的には傭兵部隊の名を借りた国連軍の出先機関みたいなものかも知れませんね。
通常、この手のダークな任務は非公式ながらも正式に承認されている国家機関が人知れず行うのですが、任務中に捕虜になる等”万が一”の事態が発生した際のことを考慮して、「傭兵部隊」というグレーゾーンの形態を採っているのかもしれません。


「表向きは傭兵部隊」ということなら、組織体系や人事に軍隊式を取り入れているのも無理はありませんし、昇進するのもありでしょう。
ハイデルンやレオナの階級は不明ですが、ラルフ・クラーク含めて階級を設定するのが困難な様なら、
ラルフとクラークの階級は便宜的なものとして、給与額を軍の階級に当てはめるとラルフはO-6、クラークはO-2で、だいたい大佐と中尉くらいになりますよ*3、程度に説明して「傭兵部隊」に明確な階級は存在しない、としてしまえば後腐れが無いと思います(暴論)。
KOFとメタスラで階級が違うのは、メタスラの作戦参加に当たって任務を円滑に遂行するべく、対外的な面を考慮して身分を秘匿した、とでもすれば良いんじゃないでしょうか。
そういったフレキシブルな運用が可能な点が、実態のはっきりしない「傭兵部隊」の強みじゃないでしょうかね。


KOFの小説とか読んだこと無いんですけど、あちらの設定ではどうなってるんですかね。
結局、「傭兵部隊」も得体の知れない便利屋って所なんですかね。
つーか、誰が読むんだ、こんな日記。

*1:マイク・ホアー氏が率いた伝説の傭兵部隊。通称”第5コマンド”

*2:'94当時の設定

*3:例として米陸軍給与格付けを参照