みんな大好き塊魂O.S.T.「塊は魂」

みんな大好き塊魂オリジナルサウンドトラック 「塊は魂」
斬新なゲームデザインで話題になったナムコの「塊魂」の続編、「みんな大好き塊魂」のサントラ。


前作では、ゲームミュージックとは思えないような豪華な顔ぶれのアーティストにコミックソングを歌わせるという大胆な企画が話題を呼びましたが、今作では企画の方向性が若干変わったようです。
前作から引き続き参加している松崎しげる氏、新沼謙治氏はもちろん、有沙氏、カヒミ・カリィ氏、キリンジイルリメなど、各方面から幅広いジャンルのアーティストが参加。
より若年層に訴求できるアーティストを起用しているのでしょうか、前作よりもソツのない顔ぶれになっているような感じがします。
楽曲も、前作のコミックソング的な雰囲気が控えめになり、一般的なJ−POPに近い楽曲が非常に多くなったことで、より幅広い顧客層をターゲットにした楽曲設計になっているような雰囲気ですね。


前作での「アノ人がこんな曲を?!」というような、キャスティングのサプライズがなかった事に加えて、前作のサウンドと比べてよりPOPになってしまったことで、「塊魂」らしさが非常に薄れてしまったという印象を受けました。
前作が予想以上にヒットしたため、続編では製作サイドが守りに入ってしまい、結果的に一般ユーザーに媚びる様な設計になってしまったのが残念でなりません。
前作が非常にクオリティが高かったので、もっと意外性に富んだ内容を期待していたのですが、個人的には少々物足りない内容でした。


最後に、印象的な楽曲を挙げますと、
歌詞・楽曲ともに前作のイメージを継承している楽曲として、前作同様東北訛りの軽妙なラップを展開し、塊魂に欠かせない存在感を醸し出している新沼謙治氏の「DISCO☆PRINCE」のインパクトが強烈。ラップの台詞が狙いすぎな感じも見受けられますが、塊魂のユニークさが1番表れているのはこの曲でしょう。間奏で「月と王子」が挿入されてるのも○。


松崎しげる氏の「塊オンザスウィング」もエンターテインメント性に溢れていて良いですね。メインテーマ「ナナナン魂」のスイング・ジャズVer.なので、馴染み深いフレーズと松崎氏のパワフルな歌唱が非常にマッチしています。前作のエンディングを熱唱している松崎氏だけに、「塊魂」の楽曲との親和性は抜群。今後も塊魂のエンターテイナーとして、一番星の如く輝き続けていただきたい。


総合的には7点といったところでしょうか。
次回作に期待しましょう。