RADIATA STORIES Arrenge Album


2005年1月に発売されたトライエースRPGラジアータストーリーズのアレンジアルバム。
今作のアレンジは、O.S.T.の作編曲と同じく岩垂徳行氏自ら担当しています。


16曲中6曲収録されたボーカルアレンジは、某国営放送の「皆之唄」で流れても遜色なさそうなメルヘンを感じさせる曲から何とも言えない不思議な味わいのある曲まで、印象的なナンバーが多いですね。
一方、インスト曲はピアノをメインに据えた全体的に穏やかな曲調のアレンジで、岩垂氏独特のメロディと優しい音色が非常に相性が良く、月並みな表現ですが「癒される」音楽に仕上がっているのではないでしょうか。
では、印象的な曲を紹介していきます。

・「Sign〜Diffuse World〜」
イントロのブラスのメロディから岩垂氏の作風が如実に表れており、氏の作品を知る方なら一気に引き込まれる魅力を持った作品。プリミティヴなリズムとエキゾチックなメロディが独特の雰囲気を醸し出しており、素人からすると複雑そうでボーカル曲向きではなさそうなメロディラインを歌い上げるボーカリストの表現力も含めて、非常に興味深いアレンジに仕上がっているのではないでしょうか。
・「Wind 〜緋色の風〜」
オルガンのクールなバッキングと、何処と無く哀愁漂うアコースティックギター&パーカッションが味わい深いラテン系アレンジ。さりげない間奏のピアノソロもムーディで良いですね。
・「TALKING〜Perpetual Unsteadiness〜」
ピアノやクラリネット等のシンプルで優しい音色とボーカルのソプラノボイスが、荒んだ心に染み入ります。
夢のある暖かい歌詞も曲の雰囲気にマッチしていて、ヒーリング効果の高い曲ですね。
心を落ち着けたい時に聴きたい1曲です。
・「ガンツのテーマ〜Teach me please〜」
今までとは一転して、ポップで軽やかなジャズテイストの楽曲。ピアノとパーカッションに、ホーンズが参加するイントロは岩垂節そのもので、陽気で軽やかなアレンジが明るくていいですね。オーソドックスなパート編成ながらも岩垂氏のオリジナリティが良く出ている曲ではないでしょうか。
・「Men's Dirge」
ピアノ、ギター、ベース、パーカッションのカルテットが織り成す、アダルティなムードが印象的なスタンダード・ジャズ。ゆったりと聴ける、非常に心地よいサウンドがステキですね。出来れば、生演奏のバージョンも聴いてみたいです。


今回はアレンジCDという企画なので、岩垂氏の特徴がOSTよりも色濃く反映された内容になっているのではないでしょうか。氏の作風にはメロディラインのほかにも音色の使い方やパート編成にも特徴がありますので、このCDでも良く理解できるかと思います。
氏のファンでしたら、一度聴いてみてはいかがでしょうか。